インディーズアーティスト向け|音楽活動の始め方解説vo1
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- 10月3日
- 読了時間: 10分

こんにちは、阿部です。私はこれまで大手レコード会社や音楽プロダクションで、アーティストマネジメントやレーベル業務に長年携わり、数多くの有名アーティストの活動をサポートしてきました。
今回は、「これから音楽シーンに関わりたい」「自分も活動を始めてみたい」と考えている方に向けて、音楽活動とは実際どんなものなのかをお伝えしたいと思います。
音楽は手軽に始められるものに見えるかもしれません。曲や作品さえあれば活動できる、と考える方も多いでしょう。
しかし、いざ始めてみると「思ったように成果が出ない」「続け方がわからない」と壁にぶつかる人が少なくありません。これは決して珍しいことではなく、むしろ当然ともいえる結果なのです。なぜなら、多くの方が音楽活動を行うための方向性や、成果を判断する基準を持たずにスタートしてしまうからです。
逆に言えば、音楽の方向性や成果の判断基準を明確に持てば、活動の成果を得られる可能性は大きく高まります。そのためには、音楽活動を始める前にしっかりと準備しておくことが欠かせません。
この記事では、私の経験をもとに「音楽活動を始めるうえで大切な考え方と準備」をわかりやすく解説していきます。
この記事は、
*これから音楽活動を始めたいと考えている方
*仕事をしながら音楽活動に挑戦したい方
*音楽大学や専門学校に通っている学生の方
*音楽活動に興味を持っているアーティスト志望の方
*すでに活動しているが、将来や方向性に不安を感じている方
などに向けて基本的な音楽活動のあり方をお話させていただいています。
音楽活動は、ただなんとなく続けるのではなく、しっかりと意識を持って取り組むことで得られる成果が大きく変わります。どうせやるなら、後に残る成果をしっかり積み上げていきたいですよね。
<目次> 1. 音楽活動とは何か?
音楽活動の定義と基本的な考え方
2. 活動を始める前の準備
2-1 心構え|なぜ自分は音楽をやるのかを問い直す
2-2 目的設定|音楽で何を成し遂げたいのか?
2-3 ターゲット設定|誰に届けたいのか?
3. 音楽活動の手段をリストアップする
3-1 リアルな活動(ライブ、イベント出演、地域活動など)
3-2 デジタルな活動(SNS発信、配信リリース、動画コンテンツなど)
4. 音楽活動の地図(活動計画)を作る
短期・中期・長期での戦略立案
1. 音楽活動とは何か?(音楽活動の定義と基本的な考え方)
「音楽活動」という言葉はとても広い意味を持っています。ライブをすることも、楽曲を制作して配信することも、SNSでファンとつながることも、すべて音楽活動の一部です。
しかし、多くの人が最初に勘違いしてしまうのは、音楽活動=ライブや楽曲制作そのものと考えてしまうことです。もちろん大切なことですが、それだけでは「活動」とは呼べないのです。
音楽活動とは、
「自分の音楽を必要とする人に届けるための一連の行動」だと私は考えています。
つまり、音楽そのものを作ることに加えて、
・誰に向けて
・どのように届けるか
・その結果どんな関係や成果を築くのか
この3つが揃ってはじめて「活動」といえるのです。
2. 活動を始める前の準備
音楽活動に限らず、何かを始めるときには準備が欠かせません。
準備が不十分だと、どれだけ努力しても望む成果を得る可能性は低くなってしまいます。
ここでは、音楽活動を始める前に行っておきたい3つの下準備についてお伝えします。
2-1 心構え|なぜ自分は音楽をやるのかを問い直す
まず最初に大切なのは、自分自身の心構えを確認することです。
「なぜ音楽をやりたいのか?」この問いに明確に答えられないまま活動を始めると、途中で迷ったり挫折したりすることが少なくありません。
心構えを固めるためには、次のようなことを考えてみましょう。
・音楽活動を通して、自分は何を感じたいのか
・音楽でどんな影響を人に与えたいのか
・活動を続ける上で、どんな自分でありたいのか
このステップを踏むことで、自分の活動の軸ができます。軸があることで、迷ったときや壁にぶつかったときも、判断や行動にブレがなくなるのです。
2-2 目的設定|音楽で何を成し遂げたいのか?
心構えが固まったら、次に考えるのは具体的な目的です。
「自分は音楽で何を成し遂げたいのか?」を言語化することは、活動の方向性を決める上で非常に重要です。
目的がはっきりしていないと、どの活動に時間やエネルギーを使えばよいのか迷いやすく、成果も不安定になってしまいます。
目的を設定するためのポイントは以下の通りです。
1、自分自身の成長
・技術や表現力を高めたい
・パフォーマンス力や制作力を向上させたい
2、届けたい相手への影響
・リスナーに感動を与えたい
・共感やコミュニティを作りたい
・活動を通じて得たい成果
3、収益を得たい
・ブランドや認知を広げたい
・将来のキャリアに繋げたい
このような目的も大切ですが、これはあくまで自分自身の欲求を満たすことになります。
少し立ち止まって考えてみてください。
音楽アーティストは、多くの方々に支援されることでその存在価値を得られます。
つまり、多くの人から賛同や共感を得ることが必要なのです。
簡単に言えば、音楽アーティストとはオーディエンスの代弁者ともいえます。
このことを念頭に置きながら、もう一度「音楽で何を成し遂げたいのか?」を考えてみてください。ここで大切なのは、「なぜ自分は音楽をやるのかを問い直す」ことです。
心構えや目的を明確にすることで、自分の活動の軸が定まり、迷ったときや壁にぶつかったときも判断や行動にブレがなくなります。自分自身の内側にある動機をしっかり確認することが、音楽活動を成功に導く第一歩なのです。
ここで改めて考えてみてください。あなたが音楽をやろうとしたきっかけは何だったのでしょうか?その原点を振り返ることで、自分の活動の軸や目的がより鮮明になります。
心の奥にある動機を理解することは、これからの音楽活動で迷ったときの道しるべとなり、成果を生み出す土台となるのです。
この心構え|なぜ自分は音楽をやるのかを問い直すことができれば、おのずと届けるべきターゲットが見えてきます。
2-3 ターゲット設定|誰に届けたいのか?
音楽活動では、自分の作品やメッセージを届けたい相手を明確にすることが非常に重要です。ターゲットがはっきりしていれば、活動内容や発信方法、プロモーションの方向性も自然と決まってきます。
ターゲットを設定する際に考えたいポイントは次の通りです。
・年齢層や性別:誰に共感してもらいたいのか
・興味関心:どんな音楽やテーマに惹かれる人なのか
・ライフスタイルや価値観:どのような状況で音楽を聴く人なのか
ターゲットを明確にすることで、ただ闇雲に活動するのではなく、効果的で意味のある活動に変わっていきますが、もうターゲットは、すでに見えているのです。
実はそれは、あなたが音楽をやろうと思った瞬間の状況そのものがターゲットだということ
つまり、自分が音楽に惹かれた理由や、そのとき感じた気持ちを思い出すことで、自然と届けたい相手像が浮かんできます。
この視点を持つことで、ターゲット設定がより具体的で直感的なものになり、活動の方向性もぶれにくくなるのです。
3. 音楽活動の手段をリストアップする
心構えや目的、ターゲットが明確になったら、次に行うのは具体的な手段の整理です。どんなに思いや目的がはっきりしていても、実際の行動に落とし込まなければ成果は生まれません。ここでは、音楽活動の手段を大きく2つに分けて考えます。
3-1 リアルな活動
・ライブやイベント出演:直接オーディエンスと触れ合い、反応を得る
・地域や学校での演奏:ファン層の拡大やコミュニティ形成
・コラボやワークショップ:他のアーティストや団体とのつながりを作る
3-2 デジタルな活動
・SNS発信:日常や制作過程をシェアし、ファンとの距離を縮める
・配信リリース:音楽を世界中のリスナーに届ける
・動画コンテンツ作成:演奏や歌唱、解説動画などでファン層を拡大
これらの手段をリストアップすることで、自分にとって必要な行動や優先順位が見えてきます。しかし、ターゲットがその活動に存在しているのかをしっかりイメージしてください。
ターゲットがいない場所で活動しても、成果にはつながりません。
たとえば、SNSの活用ひとつをとっても、TikTokとInstagramでは利用者層が異なります。突然ライヴハウスで演奏しても、そこにファンとなる人がいなければ意味がありません。
音楽活動の本質は、自分と音楽を周知し、オーディエンスに認知してもらうことです。
そのうえで、興味関心を抱かせ、共感や支援を得るという流れになります。
この視点を持ちながら、先ほどリストアップした手段の中で優先順位や効果の高いものを選び、計画的に取り組むことが大切です。
4. 音楽活動の地図(活動計画)を作る
手段が整理できたら、次は音楽活動の地図=活動計画を作るステップです。
活動計画とは、単にやることをリスト化するだけでなく、誰に、何を、どの順番で届けるのかを明確にした戦略のすなわち時系列を作ると言うことです。
活動計画を作ることで、継続的な活動が見える化し無駄な行動を減らし効率的になります。
1. 短期・中期・長期の目標を設定する
・短期:1年目で達成できること
・中期:2年後で目指す成果
・長期:3年後に実現したい目的
ここでの短期目標は、1月を起点として12月までの1年間で達成できることを考えます。
目標設定の手順は逆算方式がおすすめです。
1、まず、3年後に実現したい長期目的を明確にします。
2、その長期目的をもとに、2年後の中期目標を設定します。
3、さらに中期目標から逆算して、1年後の短期目標を決めます。
この逆算方式により、日々の活動や手段が長期目的に直結した計画となり、迷いや無駄のない音楽活動を行うことができます。
目的はいつ達成したいのか(3年後)をまず決め、そのための中間時点(2年後)を設定します。そして、目的を達成するために、どのように音楽活動を組み合わせていくかを計画するのです。
これがないと、日々の活動は迷子になってしまいます。音楽活動に限らず、目的を達成するまでのストーリーを描くことが非常に重要です。つまり、ストーリー=計画なのです。
わかりやすく例えると、旅行の計画と似ています。
1、まずは目的地を決めます。
2、次に、その目的地に行くための準備を考えます。
3、さらに、どの方法で行くかを選びます。(電車、船、飛行機、ヒッチハイク)
4その中で、自分の条件に最も合った方法を選ぶ。
計画がなければ、たとえ飛行機が最も効率の良い方法でも、レンタカーを借りるなど無駄な手段を選んでしまうかもしれません。音楽活動も同じで、目的と計画を最初に決めておくことで、正しい道を迷わず進めるのです。
私は、アーティストと共に歩むパートナーシップ型プログラム「Re:scale Music Artist Partners(Re:MAP)」を運営しています。
このプログラムでは、これまで音楽業界の現場で培ってきた経験や実績をもとに、アーティスト一人ひとりに伴走しながら、以下の内容を学ぶことができます。
音楽活動本来の意味を理解し、継続できる活動の方法
音楽活動を通じたマネタイズの仕組み作り
これまでの音楽活動をさらに充実させるための戦略や手法
Re:MAPでは、アーティストが自分の目的に沿った成果を得られるよう、伴走型で支援していきます。まずは、無料動画をご覧いただき、あなたの音楽活動を次のステージへ進めるヒントを手に入れてください。




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