今後、音楽業界に生き残る音楽アーティストに必要な4つの要素
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- 8月5日
- 読了時間: 6分
更新日:9月2日

こんにちは、阿部です。
私は長年、大手レコード会社にてレーベルプロモーションとマネジメントプロダクションの両方を兼務し、アーティストの“生業としての音楽”を支える「音楽ビジネスのゼネラリスト」として活動してきました。
アーティスト・マネジメントの仕事は、アーティストのすべての活動に関わりながら、本人の目指す方向と、プロダクションの目的を両立させていくものです。音源リリースの計画から、コンサートの実施、アーティストの「見せ方」を設計するブランディングまで、幅広く手がけてきました。
一方、レーベルは音源(=作品)を世の中に届け、ヒットにつなげるための戦略を練り、宣伝・プロモーションを担います。また、夏の定番イベントとなった「a-nation」では、立ち上げプロデューサーとして企画運営に関わらせていただきました。
その後、独立し、アーティストサポートや地域発信型野外フェス《one+nation music circus》などの音楽イベント運営を行っています。
この記事では、これまでの経験を通して得た知見をもとに、「これからの音楽業界で生き残っていくために、アーティストに本当に必要な4つの要素」についてお伝えしていきます。
この記事は、
・現在、音楽活動をされているアーティストの方
・すでに活動しているが、将来や方向性に不安を感じている
・SNSやプロモーションなど「音楽以外」の要素に悩んでいる
・メジャー or インディー問わず、“生業としての音楽”を真剣に考えている人
・音楽大学や専門学校に通っている学生のかた
・本質的なアーティスト像を学びたいと感じている
などに向けてお話をさせていただいています。
現代の音楽シーンは、「アナログがデジタルに追い越された時代」と言えるかもしれません。テクノロジーの進化によって、あらゆる物事が効率化・合理化され、音楽制作や発信も“誰でも・手軽に”できる時代になりました。
もちろん、それは素晴らしいことでもあります。しかし同時に、それがアーティストにとっては「生き残りを考えなければいけない時代」を生んでしまったのも事実です。
その背景には、以下のような構造的な問題があると考えています:
① 活動が目的化している
かつて音楽活動は「伝えたい想い」「表現したい衝動」が出発点でした。しかし今は、「活動を続けること自体」が目的になってしまっているケースも見受けられます。気づけば、「歌う理由」や「届けたい相手」がぼやけていないでしょうか?
② SNSへの過度な依存
SNSは確かに便利なツールです。けれど、それに依存しすぎることで、音楽よりも「どう見せるか」が優先されてしまい、本来の表現が薄れてしまうリスクがあります。フォロワー数や再生数が“音楽の質”を決める指標になってしまってはいけません。
③ 「バズ=売れる」という短期的価値観
一瞬の注目を集める「バズ」が、アーティストにとってのゴールになってしまってはいないでしょうか?瞬間的な話題性と、長く人の心に残る音楽とは、本質的に別のものです。「売れる」ことと「残る」ことの違いを見極める必要があります。
④ 音楽の本質がどこかへ置き去りにされている
そして何よりも、「音楽とは何か」という本質的な問いに向き合わないまま活動していること。それが一番大きな問題だと私は感じています。音楽は、ただ耳に心地よいだけのものではありません。人を支え、癒し、時に生きる力を与える。その本質を、今一度取り戻す必要があるのではないでしょうか。
このような課題意識を持ったうえで、「これからの時代を生き残る音楽アーティスト」に本当に必要な4つの要素について、具体的にお話ししていきます。
① Vision(ビジョン)を持つ
自分は「何のために音楽をしているのか?」。
この問いに即答できるアーティストは、実は多くありません。目指す場所が明確でなければ、活動は場当たり的になり、迷いやすくなってしまいます。
ビジョンとは、「どんな未来を創りたいか」という大きな方向性のこと。
例:
「聴く人の人生の背中をそっと押せる存在になりたい」
「不公平な」「理不尽な」ことに立ち向かう音楽での革命家
その想いこそが、あなたの活動に“芯”を通します。
② Mission(ミッション)を打ち出す
ビジョンが「未来」だとしたら、ミッションは「今やるべきこと」です。あなたが音楽を通して、「誰に対して・どんな価値を届けるのか?」を明確にすることで、ファンとの関係性はより深まります。
例:
「若者の孤独に寄り添うメッセージを届ける」
「現実に目を向けさせ、逆に立ち向かう姿勢を届ける」
ミッションが明確であるほど、SNSやライブの企画にも一貫性が生まれます。
③ セルフプロデュースを学ぶ
今やアーティストは「自分自身のメディア」でもあります。
「どのように見られたいか」「何を伝えたいか」までを自分で考え、
演出していく力=セルフプロデュース力が求められます。
自分の強みを知り、SNS・映像・アートワーク・MCなどあらゆる接点において、
「あなたらしさ」がにじみ出る設計を行いましょう。
これは、単なる「目立つこと」とは違い、一貫した自分”をつくる行為です。
④ ビジネスを学ぶ
音楽を「生業」として続けるためには、ビジネスの基礎知識も欠かせません。
収支の設計、マネタイズ方法、契約の理解、クラウドファンディングやサブスク活用など、音楽活動の裏側には多くの“経営判断”があります。
ビジネスを学ぶことで、単に「稼ぐ力」だけでなく、「選ばれる力」「続けられる力」が身につきます。これはアーティスト自身の精神的な安定にもつながります。
これらの4つの要素は、派手なテクニックではなく、どれも「じっくり育てるもの」です。でもこの基盤があれば、時代がどう変わろうとも、あなた自身の「軸」がブレずに音楽と向き合っていけるはずです。
以上が、これからの音楽業界を生き抜くために、アーティストに必要な4つの要素です。
SNSや宣伝、バズなどは、あくまでも「手段」でしかありません。
それらが「目的化」してしまっては、本質を見失ってしまいます。
大切なのは、「自分が何を伝えたいのか」=目的を明確に持ち、そのために必要な手段を選んでいくことです。
4つの要素が整えば、あなた自身の軸が育ち、流行や数字に振り回されない「オンリーワンのアーティスト」として、生き残っていくことができるはずです。
どうか一度、自分自身に問いかけてみてください。「私は、何のために音楽を続けるのか?」
私は、アーティストと共創するパートナーシッ型「Re:scale music artist partners(=Re:MAP)」を運営しています。
これまで音楽業界の現場で培ってきた経験や実績をもとに、これからの時代に必要な音楽スキル、継続できる活動設計、そしてマネタイズの仕組みづくりまでアーティスト一人ひとりに「伴走型」で支援するプログラムです。
目的を共に描き、共に叶えていく。そんな仲間として、一緒に歩んでいきませんか?
ご興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。一緒にあなたの音楽人生における次のステージを創りましょう。
Re:scale music artist partners(=Re:MAP)



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